2026年3月5日(木) 春を迎える準備と品種選定について思うこと

農場日記

早春の気配と、決意を新たにする日

今日は薄曇りのお天気でしたが、気温は例年よりも暖かく感じられる一日でした。先日の雪もほとんど消え去り、地面からはそろそろフキノトウが顔を出し始める頃合いですね。春の訪れを実感すると同時に、東日本大震災の日が近づいていることに気づき、当時の記憶が静かに蘇ります。

あの日から時間が経過しましたが、こうして農業に向き合えている日常は当たり前のものではありません。今自分にできることを一生懸命に、悔いのないよう取り組まなければならないと、あらためて気を引き締める思いです。


ビーツとシュガービート、赤と白への挑戦

今日も室内での準備作業を中心に進めました。キュウリの計画がひと段落ついたため、次はテーブルビーツの試験内容を細かく精査しています。課題は「いかにしてあの鮮やかな色彩を引き出し、維持できるか」という点です。事前に文献調査は行っていますが、見落としがないか一字一句再確認する作業は、地味ながらも欠かせないプロセスです。

また、今年は一部でシュガービート(テンサイ)へのチャレンジも模索しています。最大の難関はやはり種子の入手でした。国内では北海道が独占している状況であり、一般の入手は非常に困難です。研究目的での譲渡依頼も頭をよぎりましたが、まずは栽培経験を積み、もう少し先が見通せるようになってから検討すべきだと判断しました。

現在主流の品種はほとんどが輸入品のF1種だそうですが、土壌病害への抵抗性を考えると、やはり選定された強健な品種を確保したいのが本音です。クラフトシュガーやシロップ作りはまだまだ先の話ではありますが、あらためて「夢のある挑戦」だと感じています。本命のテーブルビーツについては、今年は品種比較、気象条件との相関、そして加工適性の3点を軸に徹底的に調査したいと考えています。


品種という「土台」を見極める基準

初めての作物を栽培する場合、どの品種を選ぶかは極めて重要です。「遺伝の力」は偉大であり、たとえ栽培管理に多少の至らぬ点があっても、品種の持つ強さがそれをカバーしてくれることが多々あります。だからこそ、その品種の長所だけでなく、短所までも鋭く見抜く力を養いたいものです。

そのためには、自分の中に確固たる「比較基準」を設ける必要があります。多くの場合、最初に栽培した品種がその後の基準になりますが、できれば「多くの人が基準としている品種」を自分のスタートラインに据えるのが、情報交換の面でも効率的です。

では、どうやってその基準を選ぶべきか。一つの正解は、「その作型の最大産地で最も普及している品種」を選ぶことです。あるいは、信頼できるベテランの方の話を聞くのも手です。ただし、そこには個人の好みが反映されている可能性もあります。少なくとも、種苗会社のカタログにある売り文句をすべて鵜呑みにせず、客観的な視点を持つことが経営者には求められます。


週末の展望と整理整頓

明日はいよいよ、春からの戦いに備えた物品の発注作業に入ります。もし時間に余裕ができれば、冬の間に散らかってしまった小屋の整理も進めたいところです。

さらに、もしさらなる余裕があればの話ですが、週末には「はじめての農学」シリーズの記事を一つ書き上げたいと考えています。頭の中にある知識を整理し、言語化することは、自分自身の学びを深めることにも繋がるはずです。

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