降雪による作業変更と、早すぎる春の気配
昨夜から朝にかけて季節外れの雪が降りました。本来であれば、屋外であの広大な作業小屋の整理や、農機具の整備をする予定でしたが、急遽予定を変更し、室内で昨日の続きであるキュウリの研究計画をじっくりと進めることにいたしました。
幸いなことに、夕方には雪もほとんど溶けてしまいましたが、例年であれば3月に入ってからこうした重たいドカ雪が降る日があるものです。今年はそれがいつもより少し早くやってきた印象ですが、雪が止んだ後の空気には依然として春めいた柔らかな気温が混じっています。季節が着実に進んでいることを実感させられる一方で、早すぎる暖かさに少しの戸惑いも感じています。
10mlの極小空間に挑む、計測の難問
現在、キュウリの品質保持に関する実験計画を練っていますが、包装内部のガス濃度をいかに計測するかという問題で非常に難航しています。包装内の空間は極めて小さく、そこから採取できるガスの量はわずか10ml程度しかありません。この微量なガスをいかにして薄めずに、かつ正確に計測するかが最大の課題となっています。
袋の中に直接センサーを収める方法も見つからず、シリンダーで採取するにしても、そのわずかな量でいかに精度を保つか、計測方法そのものに苦慮しています。本来であれば、こうした精密な調査には専用の「微量ガス分析計」という機材が存在しますが、数百万円単位の非常に高価なものであり、新興の個人ラボである「ソラララボ」の予算規模では到底手が届きません。レンタル品も一通り当たってみましたが、この手の特殊な領域の機材は驚くほど見つからず、結局のところ、調査器具を自分たちの手で作り上げるしかないという結論に至りました。一般的な研究所のような潤沢な予算を立てられない以上、知恵を絞って自作するしか道はありません。新しい技術開発には、常にこうした資金難の悩みが付きまとうものですね。
経営者としてのDIYと、外部化への葛藤
先日行った軽トラックの整備の際にも触れましたが、自分でできることと同じくらい「外部化」することも重要な経営判断です。今回はまだ研究の緒についたばかりですので、やむを得ず自作の方向に舵を切りますが、本来であれば事業立ち上げの初期を除き、自分の不得手な分野は極力避けるべきだと考えています。
近年、ラズベリーパイなどのマイコンを駆使して、自作のハウス内環境制御装置を製作して営農されている方々を目にすることがあります。そうしたモノ作りが好きで得意な方々を、心から羨ましく思うこともあります。しかし、単なる「コスト削減」という感覚だけでDIYに走っている人がいるならば、そこには注意が必要かもしれません。農家とは、最終的には一つの事業を司る「経営者」であり、一般論ではありますが、経営者にしかできない判断や業務にこそリソースを集中すべきです。
その観点から見れば、今回のように調査器具を自作しようとしている自分の姿が、果たして経営者として本当に正しいのか、疑念を抱く瞬間もあります。ですが、もしこの研究開発がうまくいき、確かな成果が得られたならば、その時にはきちんとしたプロ仕様の調査器具を迷わず購入したいと願っています。それこそが、事業を成長させるということだと信じています。
計画の完遂と、来たるシーズンへの備え
シーズンが本格的に始まり、現場が忙しくなってから慌てて調べ物をすることがないよう、今は腰を据えて研究計画書を精緻に作り込みたいと思います。ExcelやRでの解析まで見据えた計画を立てることで、迷いなく実験を進められるようにしておきたいのです。そろそろ、必要な物品の購入も本格的に始めていく予定です。10mlという極小の空間に科学の光を当てるための、泥臭い準備がまた始まります。



コメント